修道院こぼれ話
けんか
2017-04-01
けんか (テレジア修道院)
駅で電車を待っていたある日のこと、都内のミッションスクールの制服を着た小学校低学年の2人の女の子が私の横に立ち、夢中におしゃべりを始めた。テーマはどうやら「けんか」についてのようだった。その日、教室でお友だちと喧嘩をして許せないと思ったというA子ちゃんに、B子ちゃんはこう励ました。
「私ね、時々妹と喧嘩するんだけど、妹から嫌なことをされたらそれをノートに『鉛筆で』書くの。その後にね、妹が『お姉ちゃんごめんね』って謝ってきたら、妹からされた嫌なことは消しゴムで消すの。何日かしたらノートは真っ白なんだあ」と。
喧嘩は子どもの世界ではよくあることだが、謝る妹をこだわりなく素直に許せるB子ちゃんと、十字架上で罪人を赦したキリストの姿とが重なって見えた瞬間だった。
教皇フランシスコは今年の四旬節メッセージの中で、キリストは待つことを通してご自分の赦す意思を表してくださる方と述べている。教皇様の勧めに従って、みことば、諸秘跡、隣人の中に生きておられるキリストと新たに出会うために、日々真の回心に励みながら謝罪し、相手を忍耐して待ち、ゆるし合いたい。