★神様のひろば★
特別なことはしなくていいのです
2021-06-01
「特別なことはしなくていいのです」 シスターO
「かみさまのひろば」の原稿を依頼されたのがずい分前でした。「アーどうしよう、私は宣教らしいことを時間をとって特別にしたりしないので、何を書けばよいのか」と悩みながら時が過ぎペンも進みませんでした。そのうち思い出したのは、早くお亡くなりになった司教様からの「シスター!特別なことはしなくていいのですよ。ニコニコして存在するだけで宣教になるのですから喜んで奉献していればいいのですよ。」という慰めの言葉でした。それからは折にふれ私の心をいつも和ませてくださる方々を思い出しながら、寮監をしていた若い頃の17年間は“笑みを持って”実行に移しておりました。マリア様のどの絵もどの像も心が和むのを思い、少しでも倣いたいと思っていました。
私は何の特技もなく取り得のない者ですが、神様はこんな私を80才まで生かしてくださいました。これからますますどうなるか心配になりますが、主に信頼して、どうすることも出来ないままにお任せして、今出来ることをこれまでの償いとしなければと思います。主が見守ってくださることに信頼して。
4年前に長く所属していた八王子を離れ、上野毛教会の方へ移りました。カルメル会男子修道院は6人の共同体(うち司祭4人)静かな環境の中庭の端に、カルメル山の聖母マリア様のご像があり、そこに信者さん、ご近所の老人ホームの方、散策途中の方などお祈りに見えたり、見学に見えたりしています。ここ2年位はコロナ騒動のため自粛中ですのでご近所の方だけですが、見かけたらわずかの時間でも声をかけております。庭は教会の花係の方と一緒に修道院の方もお手伝いして、きれいにして皆の訪問を待っております。
今の私に与えられている仕事は、1週間に2、3回の炊事ですが、私にとっては自分の手で作ったものを食べていただくのもはじめてで、戸惑うことばかりです。時間があれば料理の本を積み重ねて自分に出来そうなものを探して、頭を悩ませているところです。基本的なことがわかっていないのでまず少しずつそれを覚えながらで、料理にたどり着くまで時間がかかり申し訳なく思います。この悩みも死ぬまで続くのではないので、少しでも上達していけるよう努力します。
上野毛教会は木造建築で、もう70年は過ぎている古い落着いた祈りの出来る聖堂です。カルメル会の古い奥様方の集り(在世会?)がある時は沢山の方が来られます。本当にしっとりした祈りの雰囲気です。「シスター方の姿があるだけでとてもうれしいです」というお言葉に恥じないように主のお望みに応えていけるようにしたいと思います。