★神様のひろば★
幼子のようになりなさい
2020-03-01
『幼子のようになりなさい』(シスターM)
「おばちゃーん」と可愛い声で呼ばれるようになって3年の月日が流れた。小教区の奉仕の一環として、「子ども司牧」に関わるようになった。お腹の大きいお母さんから乳児、6歳までの子ども対象に、毎月家庭を廻り、体重測定をし、必要であれば「ちょっとした」食料を分配する。私たちが担当する地区は町の中心から少し離れ、貧しい家庭が多く、家賃が払えないとまた別の家に引っ超し…という現状なので、入れ替わりが多い。この3年で、「あめ玉」効果の大きさを痛感している。小さい子は体重計を怖がる。泣き出す子も少なくない。家庭訪問をし、体重計に乗って量り終わると‘あめ玉’がもらえる。そんな状況を続けていた矢先、子どもたちは私たちの姿を見ると、「おばちゃーん」と駆け寄り、今まで遊んでいた砂のせいか、薄汚れた手で私たちの懐に飛び込んでくる。そして、その次に見るのが‘私たちの手’。袋がぶらさがっているか、更に、その袋の中身は何なのか…とワクワクしていることが伝わってくる。まっすぐな目でニコニコしている子どもたちにはたった一つの「あめ玉」が、こんな大きな喜びになるのだ。私にはたった一つどころか数えきれないほどの「恵み」が与えられているのに、感じないことがあるのではなかろうか…と反省させられる。子どもの日には、小さなお祝い会として、5キロのケーキを皆で食べる。もう一切れ食べたいからと最初にもらった一切れを慌てて頬張る。クリームいっぱいの顔で「もう1個!」とやってくる姿も可愛らしい。きっと神さまが「フフッ」と微笑まれているようでこちらもうれしくなる。子どもたちは体全体で「よろこび」を表現しているようだ。その「よろこび」を運ぶ者として、私も神さまに向けて、まっすぐに心を任せていたいと祈る今日この頃である。