★神様のひろば★
新しい恵みの場で (マダレナ修道院)
「シスターですか?よかったー。シスターと同じ部屋で。」「シスターがいてくれて嬉しい。私は長与の信者です」等々、入院のたびにかけられた言葉である。シスターというだけで喜んでくださる信者さんたち。
「ご聖体です。」お忙しい中、足を運んでくださる神父様。司祭という存在だけで病気の信徒にとっては心の拠りどころとなる。「奉献者のいるところに喜びがある」教皇フランシスコの言葉が思い浮かぶ。
「シスターさんですよね。主人はカトリックですが、教会に行ってないんです。でも葬式は教会がいいみたいで。無理でしょうか」
「大丈夫。教会は受け入れてくれますよ。」早速、司祭に連絡を取り、40年振りでゆるしの秘跡を受け、教会に戻られたFさん。
お見舞いに来てくださったKさんが突然口を開く。「シスター、私たち夫婦のために祈ってくれんね。別れようと思ったけど、やり直してみるけん。病気を捧げる目的がまた一つ増えた。
ご聖体をいただく日、信者数名が私の部屋に集まってくる。同室の患者に迷惑かもと心配したが、「熱は下がったね?無理せんとよ」など、互いに励まし合い、明るく語らう姿に「仲のよかね。一緒にいれてくれんね」と好評で、そのうちに「教会に行ってみたいね」「クリスマスに教会に行けるの?」「行けますよ。ぜひ行ってください」ということで、浦上教会のクリスマスミサを紹介。数人の看護師さんと外泊した患者さんとそのご家族の方々がミサに参加し、喜ばれた。
高熱で笑顔も出ず、薬の副作用で祈りに集中できず、文字だけを追う日々の中で宣教などできようかと考えていたが、シスターという奉献者としての存在そのものが宣教であることを実感させられた日々であった。
現在、私は通院治療中だが、入院中に知り合った数名の信者さんたちとグループを作り、互いに祈り合い、通院の折に病室を訪問し励まし合う活動を続けている。病気という新しい恵みの場をくださった神様と、治療の時をくださった修道会に感謝しながら、自分にできることを実践し、恵みの日々を生きたいと願っている。