修道院こぼれ話
耳をすまして
2013-06-01
「耳をすまして」 (ときわ荘修道院)
ある朝、ゆるしの秘跡を受けようと待っていた姉妹の一人が、静かに告解部屋に入ったが、間もなくして颯爽と出てくるではないか。あまりにも早く出てきたため不思議に思っていると、次に待っていた姉妹に少し大きめな声で囁いた。「耳を忘れた!」その場にいた者は、苦笑い。
姉妹によると、告解部屋に入り、ひざまづいて「父と子と…」と言い出したが、全く何も聞こえない。「神父様、すみません。耳を忘れました」と一言伝えて、慌てて出てきたという。それまで、祈りに集中していたのであろう。「父と子と…」と言うまで聞こえないことに気が付かなかった姉妹。耳が聞こえない不自由さはあるが、神様との対話には心の耳があれば十分なのかもしれない。後日、その姉妹は、忘れないようにと補聴器ケースの蓋に「耳」と書いた紙を貼り付けていた。ある朝、ゆるしの秘跡を受けようと待っていた姉妹の一人が、静かに告解部屋に入ったが、間もなくして颯爽と出てくるではないか。あまりにも早く出てきたため不思議に思っていると、次に待っていた姉妹に少し大きめな声で囁いた。「耳を忘れた!」その場にいた者は、苦笑い。