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神さまのひろば

★神様のひろば★

父に寄り添って
2015-10-01
父に寄り添って (シスターA)
  
 どげなごとがあってもニコニコ。認知症、重くはないが、いま言ったことをすぐ忘れ、また同じことを繰り返す。
 性格にもよると思うが、症状もいろいろだと実感している。同じことを言うのを数えてみると、一日100回以上は言っている。こうなってくると体力と精神力(忍耐)が必要となる。これをありがたく神様に委ねると楽である。現実を受け入れることである。
 ワクワク楽しくしていくことがポイントだ。昔のことはよく覚えているため、相手の「昔」にタイムワープさせていくことも大事。ここで己れを無にすることができるかがミソである。己れを無にすることは、自分の感情や気持ちを認めつつ、一息入れて相手のために時と場を提供すること、神様に「間」にはいってもらって、神様の手の中に自分をそのままお任せする。そうすると相手の気持ち、世界に身をおくゆとりが生まれ、相手との共感、共有の世界が誕生する。己れが無であれば、どのような相手にも合わせられるのでいやなことがなくなる。相手の昔を引き出して、脳を活性化させる。笑うことは自律神経のバランスもよくなり=体も心も元気になる。
 何があっても笑うことだ。作り笑いでも、良い笑いでなくても笑うことだ。今日もテーブルの上で、アリがご飯粒を一生懸命運んでいた。冬に向かって自然界は、それぞれが与えられた場所で精一杯生きている。誰から何も言われなくても、黙々と神を賛美している。そのアリの動きを見つめながら、米粒をどこに運んでいくのか、他に手伝いがやってくるだろうか、手伝ってやろうかなどと二人で会話しながら指先でトントンしながら笑った。
 台風で鳥小屋の屋根が飛ばされたが、そんな時でも卵を産んでいる。素晴らしいと思う。停電が五日間続いた。電気がなかった昔を思い出し、父との会話に花が咲いた。落ち着いた昔話ができるたびに、いつかは神様のところに帰らんといかんことを私は意識して話している。
 神様からいただいた身体、少しずつ神様に返していこう、神のもとに帰るその日まで。キリスト様もそうであったように、すべては神様から来ているということを何度も何度も言い続けている。同じことを何度も繰り返す父と同じように。今日も秋風がそよそよ吹く中、実りの秋、宣教の秋であり、秋代である。

純心聖母会
〒852-8142
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TEL.095-848-2241
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