★神様のひろば★
神の国のわざへの参加を願う小さな歩み
草の香り、小鳥のさえずり…。四季折々の美しい自然の語らいの中で感謝の日々を、ここ川内修道院で過ごさせていただいてもう3年が過ぎてしまいました。
一昨年の夏、関西方面より両親の介護のため戻ってこられた方に、キリスト教に関する話をしてほしいとの依頼がありました。私はかねがね何か福音宣教に関することをさせていただきたいとの望みを持ちながらも、その知識、経験は全くなく大いに迷いました。しかし、すでに金祝のお恵みをいただき、半世紀にも及ぶ修道生活をさせていただきながら、「できない」とはとても言えないと思い、大きな不安をいだきながらも神さまにすべてをお委ねして、させていただきました。ただ、専門的な勉強をしていないので、ご一緒に勉強させていただくということでよろしければという条件付き。
対象者はキリスト教についてある程度勉強をしている50代前半の男性とまったく初めてというそのお母さま。ますます難しさを感じているところに、テキストとして恥ずかしながら、私はまだその背表紙しか見ていなかったあの分厚い『カトリック教会のカテキズム』を持参され、できるだけ早く勉強したいとのこと。いろいろと検討し、結局、その要約版をテキストとして早速始めることにいたしました。
何もかもが初体験、しかも私が最も苦手とする中高年の男性。私は猛勉強?の止むなきにいたり、まさに自転車操業。聖霊の導きを祈りながら、背水の陣でクリスマス受洗をめざしました。
お二人は実に熱心で、むしろ私を助けてくださいました。何とかクリスマス受洗の目途がついたころ、介護しておられたお父さまが急変され、お二人より先に条件付き洗礼を受けられました。その後、お二人もクリスマスに受洗の恵みを受けられました。お父様はその後、お亡くなりになりましたが、今も続けている聖書の勉強会には必ず、お父様の遺影を机上に置いて、3人そろって臨まれます。