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神さまのひろば

★神様のひろば★

小さな天使との出会い
2020-09-01
『小さな天使との出会い』 シスターY

 事業所を持たない島原修道院に身を置きながら、新しい宣教の形を模索し、私が学んだ宣教への意識改革について、綴ってみたいと思います。
「おはようございます。」と、宣教の相手がやってくる、当たり前に感じていた事業所の朝の風景。一変して、島原では人と会う機会がほとんどない毎日に、私は戸惑いを感じていました。
 そんなある初夏の夕暮れ、教会の戸締りに行ったときのこと。いつものように扉を開けると、そこには小さな天使が大きなスリッパをはいて十字架を見上げているではありませんか。その子の名前はAちゃん。関東からお母さんと一緒におばあちゃんの看病に来たのだとか。夕陽に映えるステンドグラスの光の中にいる彼女と出会い、私の心の変化のきっかけとなりました。「この子がどうしても中に入りたいというのでお邪魔しています。」というお母さんに、ミサへのお誘いをしたところ、毎日曜日ミサに参加されるようになり、Aちゃんのために小さなスリッパを用意することにしました。最初は二択できるように色の違う2足を、やがては彼女の成長に伴い三択できるように3色に。毎週好きな色のスリッパをはいて嬉しそうにイエス様を見上げ、皆と祈りのひと時を過ごし、十字架のイエス様にバイバイと手を振り帰っていくAちゃんは、そこに集う教会家族の喜びとなりました。そのうちに看病していたおばあちゃんは亡くなりましたが、親子はお父さんの実家であるこの地に住むことになり、お母さんは洗礼の準備を始めました。「A子が神さまの家に導いてくれました。」と嬉しそうに語るお母さんは天の国の宝を見つけた人のようです。これは、神さまの引力に導かれてやってきた親子に同伴する機会を得て、私の「当たり前」が180度転換した出来事です。
 その後も島原では、不思議な出会いが繰り返され、神さまの働き方をみせていただき、自分自身が福音化されていく貴重な体験を重ねることとなりました。それは、福音宣教の主体はイエス様なのだという心の記憶に残る学びでした。今、川内の地で、新たな出会いをいただき、『これは当たり前ではなく特別なんだ!』と、体感しています。今日の宣教は、私自身が「かみさまの広場」となること。出会う人々とともに、神様との交わりを愉しみ深めながら、小さな歩みを感謝のうちに進めています。

純心聖母会
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